直近の抗議デモについて思うこと。

直近の抗議デモについて思うこと。

実名でブログをやってしまうことによって、発信のハードルがかなり高くなってしまったことを最近後悔しています。

匿名でブログを始めたとしても、GSB自体に日本人が数人しかいない為、近い業界にいらっしゃる方には一瞬で素性がバレてしまうとは思うものの、もっとしょうもない内容や、逆に慎重に触れるべき内容などを、備忘録という意味も込めて投稿できれば良かったな、と思っています。

特に今週はそれを強く感じました。

ただ、とても重要なことなので、未熟、不勉強、そして未完成な内容だとは思いますが、自分が最近ルームメイト達や他のクラスメート達と議論しながら考えたことを少し共有できればと思います。

今、アメリカで何が起きているのか?

日本でも話題になっているみたいですが、今、アメリカ中で抗議デモが発生しています。

デモの発端となったのは、先日、ミネアポリスで発生した、無抵抗の黒人男性George Floydさんを白人警官が殺してしまうという事件。

その警官はFloydさんを、膝で首を押さえつけ、「息ができない」と言っているのにも関わらず、押さえ続け、結果的に窒息させてしまいました。

この悲劇は全て映像に残されていたことから、迅速に世界中に広まり、現在の抗議デモ活動に繋がりました。

僕が住んでいるパロアルト市は、アメリカの中でも最も裕福な地域な為、過激なデモ活動はありませんが、それでも毎日多くの人々が集まり、抗議しています。

しかし、15分ほど車を運転すれば、車上荒らしに遭ってしまうようなデモ活動地域に入ってしまいます。同じベイエリアでも、少し北上したところにあるオークランド市やサンフランシスコ市では、多くの小売店が破壊され、盗難に遭っています。

他のMBAスクールに留学している友人と話したところ、ボストンやシカゴではアパートの目の前で過激な抗議デモが行われており、全く外出できない状況になっているらしいです。
スタンフォードがあるパロアルト市も、この数日は夜8時以降は外出禁止令(curfew)が発令されており、予断を許さない状況です。

自分が感じた「違和感」

日本で報道されている内容もチェックしていますが、(時間が経つにつれて報道の視点も広くはなってきているものの)、どうしても過激で破壊的な側面が焦点になってしまっているように見受けられます。

学生時代、ひたすら報道局でバイトをしていた身として、時間や背景等数々の制約の上でそうなってしまうのは承知の上ですが、また少し違った視点を共有できればと思います。

企業活動も同じですが、社会全体としても、様々な約束やルール(多くの場合、それは法や契約として明文化されている)の上で成り立っていると考えています。

例えば、僕がこの莫大な留学費用を賄う資金が必要だからといって、盗みを働かないのは、法律で禁じられてるというのもありますが、何よりそれが「社会のルール」、だからです。

僕はその「ルール」に則りますが、その前提として、等しく社会を構成する他人にもそのルールに則ることを想定しています。

直近のデモから派生している多くの盗難や破壊活動を見て、僕自身も強い違和感を覚えました。

「これは流石に駄目だろう」と思いました。
恐らく、世界中で多くの人々がそう思ったのではないでしょうか。

ただ、何で自分はそう思ったのか?

勿論、法律に反しているのは自明ですが、この違和感はロジックというよりは、もっと深い感情に起因しているような気がしました。
多分、自分が守っている社会のルールを、こうも大胆に、そして大義名分を得たように、破られているからそう感じたのだと思います。(法≒ルールなので、殆ど同じようなものですが)

僕は日本人だし、アメリカにいる間はminorityであるものの、日本においては圧倒的majorityです。
なので、僕自身は、どんなに想像を膨らませたとしても、アメリカにおける黒人及びその他minorityがどのような想いで生きているのかを100%理解出来ることはないと思います。

ただ、僕が今回のデモで感じた違和感を、アメリカにおけるminority(特に黒人)は、毎日感じているとは考えられないでしょうか?

今回は、人が一人亡くなってしまったこと、その一部始終が全て動画に収まっていたこと、そしてコロナやそれに伴う失業率の急増に対する世間の憤り等、様々な事象が重なってこのような大きく取り上げられることになりましたが、ここまでに至らない事件は日々多く発生しています。

僕の黒人と白人のハーフのクラスメートも、幼い頃に警官に不当に取り押さえられ、銃口を向けられたことが今でもトラウマになっている、という話を最近シェアしてくれました。

英米法の基礎となっているRule of Lawでは、全ての”persons”, “institutions”, “entities”は下記の原則に則したルールを守ることとされています。

  • Publicly promulgated(公表されている)
  • Equally enforced(等しく施行されている)
  • Independently adjudicated(独立して裁決される)
  • And consistent with international human rights principles(国際人権規約に即している)

事実として、アメリカにおいては、今回の事件のように「ルール」が等しく施行されておらず、人権を害するようなケースが多く発生しています。

自分が守っている社会のルールが、日々破られているのを目の当たりにさせられている人々が、「じゃあ自分も守らなくていいや」と考えてしまうのは、僕にでも想像ができます。

こうは言ったものの、僕は決して、この事件に乗じて盗難や暴力を働いて良いとは全く思っていませんし、絶対に止めるべきだと思います。

ただ、この「ルール違反」の背景には、アメリカ社会のシステムが見過ごしてきた彼ら自身の「ルール違反」があるのではないか、と思います。

自分の考え方が絶対的に正しいとかは全く思いませんが、日本のメディアもこの事件を報道するにあたって、また別の視点からもアプローチしてくれることを願っています。

今、自分に出来ること

じゃあ、僕自身はどうすべきか?

ルームメイト達と深夜議論を交わし合うことが多いですが、正直、まだ明確にはわかりません。
勿論、友人のケアや、身の回りで収まることはすぐに実行に移せますが、それだけで良いのだろうか、と話し合いました。

今回のような事件は、これまで幾度と発生してきましたが、社会のシステムが変わるところまでには至っていませんでした。
ただ、今回は、色んな事象が重なったことから、もしかしたら、構造から変わる可能性があるのではないか、というような、これまでとは違った何かを感じています。

僕はあまりSNSを使いませんし、そこで何か意見をすることは皆無です。何なら嫌です笑

ただ、もし、今回ばかりは世界的に十分な勢いがつき、これまで進んでいなかった構造改革まで辿り着ける可能性が少しでもあるのであれば、未熟な意見だとしてもそれを示すことが重要なのではないか、と思い、この記事を書くに至りました

これが正しいのか分かりませんが、とりあえず今は他にも自分で出来ることを可能な範囲内で模索していこうと思います。

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